ポップ音楽でリラックス

  題名:大事なことはみんな元春さんがおしえてくれる


      またたび小学校 まだらぶち3×年 ちょっとちょびヒゲ組  くろねこ・ぷぅ

   
  市立図書館から本が入った電話があって驚いた。予約したのはもう昨年の夏です。それは辻村深月の「鍵のない夢を見る」です。なぜその本を読もうと思ったかというと、それは本の題名のせいです。

鍵のない夢を見る
文藝春秋
辻村 深月

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  茶道(やってないが、)友達のHさんはわたしと同じ3×年生ですが、子どものころ、夢で怪獣か泥棒かオバケに追いかけられる夢をよく見たそうです。夢の中でHさんは家に逃げ込むのですが、鍵が掛けられず焦って恐怖のど真ん中で目を覚ますというものです。


  ですが、Hさん。
結婚を機に、何か悪いモノに追いかけられる夢は、子どものころは掛けられなかった家の鍵がクルっと回って掛けられるようになったそうです。なんてすてきな夢。なんて素敵な現在のHさんなのでしょう。結婚は夢の中まで良い影響を及ぼしているのです。


  なので、このタイトルを見たとき、「鍵がない夢」はどんな人生展開が待っているのだろうと思ったのです。

  さて、本を開くと題名と同じタイトルの小説はなく、5つの短編の本でした。
同じ題名の小説がないことを残念に思いながらまずひとつ目を読みました。読後感の悪い話でした。主人公の友達(女の子)のお母さんが空き巣に入るクセのある人で、それが原因で住居を転々としてるというバックグラウンドがありました。

  最後には友達自身が消しゴムをすろうとしたところを主人公が目撃してしまい「お金払いなよ」と忠告し、そのあとで主人公は女の子とは遊ばなくなり、盗み癖のある母のいる一家はどこかへ引越してしまう。高校生になり、どこかですれ違った時、盗み癖のある母親を持つ女の子は主人公のことを全く覚えてないというシチュエーションで話が完結するというものでした。

  読後の後味の悪さ、文章も若い人らしい言葉づかいなのか、読解力がないからなのか読みづらく、何回も読み返さないと理解できないところがありました。


  でも一度読み始めた本は最後まで読むことにしてるので、2つ目も読みました。
それもすごい嫌な変な話でした。時間の無駄のようにも思え、本の最後のページをめくりました。著者のプロフィールです。1980年生まれとわかったときに、この本の主人公たちの私の感覚とのズレがわかったように思えました。


  角田光代さんの短編集のあとがきには「小説の好き嫌いはあるけれど、その本自体を無駄だとか不必要とか無意味だというのはその本に失礼だ」と書いてあったのを思い出しました。角田短編集はさらりとしたものでしたが、心を慰めるものや納得させるものがあり、角田さんの言うことに賛成でき、この「鍵のない--」も続けて読むことにしました。


  3つ目はかなり鬼気せまるものがありました。
その時、わたしは最近、買ったばかりの佐野元春の最新アルバムZOOEYを聴いておりました。そのとき、流れていたのは「愛のためにできたこと」

  歌詞がすんなりと心の中に入ってきて、この小説の作者も元春さんの歌詞の中の主人公と同じようなバックグラウンドや生活があり、でも表現方法が違うだけなんじゃないか、悩んでいることや、不満に思うことは、元春さんの中の「君」も小説の中のそれぞれの登場人物も同じような生活という名のウスノロを心の中に育てて生きているんじゃないか!?と閃いたのです 


  ♪愛してると君は言う
   でも信じてるとはけして言わない
   君はただ
   清らかなものが
   うとましいだけ・・・・

  
  ♪運命の人と君は言う
   会う人のたびにそういう
   君はただ
   昔見た夢を
   うまく隠したいだけ・・・・

この曲を聴きながら本を読んでいると、主人公=現代の日本人(比較的若者)のことがよくわかってくるのが不思議でした。


  元春さんの歌の中の主人公の自己矛盾と本の中の主人公の自己中心的感情は似て非なるものあんですが、心の中のもやもやは同じで、上手に自分の感情を前者は表に出せず、後者は表現しているけれど、そこに感情的な深さがないというのかな・・・


 ただ誰かにわかってもらいたいんだ・・・ってところでしょうか。それを元春さんのポップな音楽と深い洞察のある詩が自分の気持ちをうまく表出してくれるかどうななんじゃなかろうか・・・と思ったわけです。


  傍らに元春さんの音楽のあることのなんと幸運なこと哉 


  ZOOEYはいつものように元春エッセンスがふんだんにちりばめられているアルバムで特に珍しいものはないんですが、なぜか涙なくして聴けない勇気と希望と感動の渾身の1枚。元春さんはわたしの心の中を見抜いてる!と「渡る世間は鬼ばかり」的な作品です。

  あなたもおひとつどーぞ 


  でも、同じようで全然違うのは辻村氏の(男性か女性かシラなんだが)小説の中にいる主人公たちは自分の犯してる罪を罪としてとらえてない現代の人間の様相をものすごい感性で描き出しているように思う。簡単にいえば、それはいわゆる単なるジコチューなんだけど。こわい。


  4つ目に至っては女も男も自己愛とジコチュー炸裂で鬼気せまりました。ほしいものがインスタントに手に入る、コンビニ感覚の人間の顔が見えた・・・わし、コハイ・・・いったいこの先、人の世はどうなるんだらう・・・後味悪く途方にくれる繊細なわたし(笑)。


  余談だけど、これを読みながら、遠藤周作の「わたしが・捨てた・女」を思い出した。

  この小説の中の主人公は自分の醜いほどの欲望でドロドロした男が主人公で自分の欲望と罪と罪の意識に苛まれる感が読者の気持ちをえぐる。

最近、吉幾三が捨てたい女を焼きぐりと冷凍ミカンを持たせ汽車に乗せる情景をうたうのですが、それはミツを捨てた男の歌だな・・と思う。歌いながら、吉さんは歌詞の世界にどっぷりと浸り、目頭を熱くして歌うんだが・・そんな風に演歌をエンジョイしているわたしです 


  え?ポップ音楽でリラックスじゃなかったの?わたし 

 
ZOOEY
Daisy Music
2013-03-13
佐野元春 & THE COYOTE BAND

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この記事へのコメント

ながさと
2013年04月03日 21:05
辻村氏は女性ですよ
初対面の印象は悪かったかも知れませんが、他のも読んでみると、面白いのが見つかると思います。
「あれ?アナタ、以前お会いしました?」って感じの「再会」が、私は好きです
2013年04月04日 20:37
 ながさとさん、コメントありがとうございます。たぶん、あなたは・・・と思いますがw、どうでしょうか。
辻村氏は女性ですか。一応、女性なんじゃないかとおもっていましたが、この作品で直木賞を受賞したんですね。ぞんぞん知りませんでした。

現代の人間の姿を鋭く切り取っているので、すごい作品であると思いましたよ。

わたくしの読書傾向は後ろ向き&乱読なので、辻村氏の作品を今度、いつ読むかが問題です。最近の作家に弱し!

だいたい、3作品以上読んでいる作家はムラカミさんと漱石先生、遠藤周作先生くらいでしょうか?・・・塩野七生、河合隼雄先生にいたっては小説じゃないというレベルです。そして今は早くルイ16世研究?に戻りたい・・abさんごに苦戦中・・・

http://booklog.jp/users/books11chatnoir
参考までにわたしの本棚です↑
2013年04月05日 00:08
昔、ボンジョビは演歌だ!って言ってる人が居たから どっちでリラックスしてもいいんでないかい?
私は娘の新しいガッコ―の校歌を覚えました。
miniko
2013年04月07日 06:57
村上春樹氏のエッセイでプリンストン大学で教えてた頃、毎朝ダンキンドーナツでコーヒーとドーナツが朝食だったと書いてあったのを覚えてますが、毎回食べるドーナツの種類も言っていたと思うのですが、それが思い出せません。どのエッセイで言ってたのかも思い出せませんが、「やがて哀しき外国語」だったでしょうか?どの、ドーナツだったのか、知りたくてたまりません、、、。
2013年04月08日 10:17
 まるおおさん、ぼんじょ日は何の日?って、たまたま誤変換されたんだが・・・アメリカのロックは演歌っぽいのが多いよね~。して、もう校歌覚えちゃったんだー??わたしは最近、小学校、中学校、高校の校歌、応援歌を思い出し、ちゃんぽんになってぐるぐる頭の中を駆け巡っています!


 minikoさん、あなたのコメントはいつも本文と関係なく・・・?
覚えて居りませんが、村上さんのあっさりとクールな感じからシナモンとかフツーのドーナツに思えます。今からあの膨大な量のエッセイの再読は大変そうです。でも、そのあたりのエッセイに思えますね。
miniko
2013年04月08日 11:11
あ、そうですね。本文ではなく、ながさとさんへのお返事の
>3作品以上読んでいる作家はムラカミさんと漱石先生、遠藤周作先生くらいでしょうか?
に、食いつきました。
miniko
2013年04月10日 05:49
どの、ドーナツなのか、あまりにも気になったので、昨日ミッドタウンのブックオフに行った。やがて哀しき外国語があったので、買った。$5だった。ついでに、CDの$1コーナーを見たら、筋肉少女帯と、大槻ケンヂのCDがあったので、買ってみた。
最近、何故か、落ち込み気味なので、こんなの聴いてたら、良い意味で気がぬけて、良い。お笑いって必要だ。と、思った。

ドーナツの種類はまだ発見できず。。。

そういえば、先週、ブラジル、サンパウロに行ってきた。水の流れのぐるぐるが北半球と南半球では違うっていうの、誰かが昔言ってたの、確かめるの忘れた、、、って、さっき気づいてがっかり中。。。
2013年04月11日 11:25
 minikoさん、わたしはまだ一度もダンキンドーナツを食したことがありません。まぁ、ドーナツにあまり興味がないのでいいですが。
あなたの落ち込み気味はいつもな感じ。考えてもろくなことはないのでぼちぼち行きましょう。(わたしはさまざまにない脳みそを駆使して考える左脳人間だが)

ブラジルいいね。こないだコシノジュンコがサンパウロのカーニバルの旅で衣装を作って自分も踊ってたTV見た。カンドーした。

自分の目で見て、渦巻の違いがわかるものなのでしょうか?北半球の渦巻も見たことがないのに。

miniko
2013年04月11日 23:12
なんか、ずっと昔に教養番組っぽいので見たと思うんだけど、水の渦巻きは水道の排水溝へ流れて行くときの、あの、台所のシンクとか、洗面台のシンクとか、お風呂の水を捨てる時、あの穴に流れて行くときの渦巻きです。
なんでも、北半球と南半球では渦巻きの回転が逆だそうで、S極と N極の磁石の関係とかなんとか言ってた様に思います。うる覚えですがーーー。
左三つ巴か右三つ巴って感じか?
2013年04月12日 09:46
 minikoさん、
ああ、なんか聞いたことあるかも。興味深いようなそうでないような。
miniko
2013年04月12日 22:09
昨夜、村上春樹氏の「やがて哀しき外国語」読破。。。ダンキンドーナツのことは書いてなかった、、、。いったい、どの本で読んだんだろう。本当に、どのドーナツだったのか知りたい。
2013年04月15日 10:08
 minikoさん、ダンキンドーナツを食べ続けたんですよ、とにかく。
miniko
2013年04月16日 08:25
げろげろ。今、テレビでボストンマラソン、テロリストアタックのニュースを見ている。二人死んで百人けがしてるって、、、。
村上春樹氏、走ってないでしょうね?無事でありますように、、、。
くろねこ・ぷぅ
2013年04月16日 14:54
 minikoさん、こちらでもニュースでやってます。村上さんはどうなんでしょうか。ムラカミさんは4月12日に新刊が出たばかりです。